主に「不動産」と「経済」の2つのテーマにフォーカスし、最新情報をわかりやすくお伝えします。
フリーランス&ライター
井村 幸治 いむら こうじ
フリーランスエディター&ライター。1964年、和歌山県生まれ。リクルート(現リクルート・ホールディングス)にて不動産、ブライダル領域の編集に長年にわたって携わる。その後フリーランスとして住宅、都市開発、メディカル、ブライダルなど様々な分野で取材執筆活動を行う。東京⇒名古屋⇒大阪の転居を2回ずつ経験したことで、各都市の住宅事情にも精通。日本各地への取材、旅行経験も豊富。現在は大阪府吹田市「千里ニュータウン」在住。
マンションの価値をどう判断するか?人それぞれ、いろいろな視点や考え方があります。今回は売却の際に価格が下がりにくい、あるいは価格が上がる可能性があるマンションの条件について考えてみましょう。
マンションの価値とは何か、人によってさまざまな考え方があります。
たとえば、
●「家族構成やライフステージの変化に合わせて住み替えも考えたい。将来いくらで売れるのか気になる」
●「投資用マンションとして所有している。賃料収入がいくらになるかが重要」
●「海が見え、風が抜ける高台のマンションが絶対条件」
●「家族が安心して暮らせるマイホームであってほしい。災害の心配が少ない住まいであってほしい」
など。
マンションは「住まい」としての顔と、「資産」としての顔の両面をもっています。マンションにどんな価値を求めるかによって、物件の選択基準は違ってくるはずですが、そのなかでも売却時の価格や、賃貸物件として貸した際の賃料、資産価値にも大きな影響を与えるのが立地条件です。
「マンションは立地を買え」という言葉があります。
立地条件には交通利便性や生活利便性、街の成長性・発展性など、いくつかのポイントがあります。交通利便性は都心部までの所要時間や駅からの距離。生活利便性は商業施設や公共施設、公園などの有無。街の成長性は新駅や再開発計画など将来の変化の可能性について。どのポイントの優先順位を高く持つかは、人によって違うかもしれませんが、選択したマンションの立地条件は二度と変えることができません。
立地条件の中で、最も大きな影響を与えているのが「交通利便性」です。
たとえば、都心の一等地や主要ターミナル駅周辺などに建つマンションは価格が高く、時を経て築年数が古くなっても高い価格で取引されている物件も少なくないことは、ご存知の方も多いでしょう。「希少性」の高い立地条件が、高い資産価値を維持する主要因となっているのです。
希少性の高い立地条件とは、都心部に限られません。
東京・品川・渋谷・新宿など都心部のビジネスエリアへ直接アクセスできる主要沿線の特急・急行停車駅なども「希少性」が高いエリアといえます。
他にも、「希少性」が高いということは、同じエリア内に供給が少ないケースなども当てはまります。様々な条件がありますが、供給よりも需要が上回っている状態の物件は、希少性が高くなるという事を念頭に置くと良いでしょう。