主に「不動産」と「経済」の2つのテーマにフォーカスし、最新情報をわかりやすくお伝えします。
フリーランス&ライター
井村 幸治 いむら こうじ
フリーランスエディター&ライター。1964年、和歌山県生まれ。リクルート(現リクルート・ホールディングス)にて不動産、ブライダル領域の編集に長年にわたって携わる。その後フリーランスとして住宅、都市開発、メディカル、ブライダルなど様々な分野で取材執筆活動を行う。東京⇒名古屋⇒大阪の転居を2回ずつ経験したことで、各都市の住宅事情にも精通。日本各地への取材、旅行経験も豊富。現在は大阪府吹田市「千里ニュータウン」在住。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちの暮らしも大きな変化を余儀なくされました。特に働き方の変化は「劇的」ともいえるものです。一挙に進んだテレワーク時代。働き方が変化すれば、暮らしや住まい選びの考え方にも、これまでとは違った条件が付加されてきます。テレワーク時代のマンション選びのポイントについて考えてみましょう。
「テレワーク」とは「tele = 離れた所」と「work = 働く」の二つの言葉を組み合わせた造語です。「離れたところで働く」こと、つまりオフィスから離れ、カフェや住まいの一室などで働くことを意味します。2019年4月に働き方改革関連法案の一部が施行され、様々な改革が始まろうとしていました。「働き方改革」が目指しているのは、「働く人々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自ら選択できるようにする」ことです。その解決策のひとつとして「テレワークの推進」が掲げられていました。
そこに突如襲ってきた新型コロナウイルスの感染拡大。準備が十分にできていない状態のなか、一気にテレワークを実施せざるを得ず、「職住融合」を迫られました。それが2020年の実態であったと思います。
突然始まったテレワークは、働き手にとってどんなメリット・デメリットがあったのでしょうか。株式会社イードが、20-59歳男女6082名にアンケートを行いました。テレワークを実施している1267名から回答得た結果が下記のものです。
※株式会社イード調べhttps://u-site.jp/survey/telework-1
「テレワークで困ること・不便なこと」という質問に対して、1位は「対面で話せないので十分なやりとりができない(31.9%)」となりました。テレワークにおけるコミュニケーションの取り方に課題を感じる人が多いことが分かります。
一方、2位の「気持ちの切り替えがしづらく、集中できない(31.3%)」、3位の「仕事以外のことをしてしまい、仕事に集中できない(30.5%)」、4位の「時間のメリハリがつかず、勤務時間外も働いてしまう(29.1%)」からは、テレワークにおけるON/OFFの切り替えの難しさ、また集中力を保つことの難しさを読み取ることができます。また、「子ども」や「配偶者」、「ペット」がいることで集中できないと回答する人もみられます。
住まいの中で、仕事に集中できるワークスペースや環境をどう整備するのかが、大きな課題として浮かび上がったといえるでしょう。